ディフィールの銀の鏡 第13話

 ジュリアスは眠っていた自分に気づいた。窓から差し込む太陽の光が眩しく、視力が戻っている事がわかる。

「良かった。我が君、お気が付かれましたか?」

 そう言って顔を覗き込んできたのは、テーレマコスだ。ジュリアスは視力は戻っているようだが、身体が全く言う事をきかない。おまけに身体中に激痛が走る。震えるジュリアスの右手を、テーレマコスがうやうやしく両手に取った。

「王子は、王宮から離れた森の中で放置されていらっしゃったのです」

「……放置」

 頭が全く働かず、ジュリアスはぼんやりとした面持ちでテーレマコスの言葉を繰り返した。

「全身を何者かに斬られ、大量の血液を失っておいででした。お顔の色も真っ青でお亡くなりになられたのかと肝を冷やしました。ニケが知らせに来るのがもうすこし遅かったら手遅れだったかもしれませぬ。あれから二週間が過ぎております」

「……手遅れ」

 テーレマコスは、ジュリアスの双眸に青い炎が宿らない事に気づいた。それどころかまったく魔力を感じられない、普通の人間になってしまったかのようだ。あのでっぷりと肥え太った姿になれないジュリアスは、ヘレネーによって魔力を封印されてしまったのだ。万梨亜が見ていた美しい姿のままで彼は横たわっている。

 テーレマコスが魔法を発動して、治癒魔法をかけるのをジュリアスは黙って見ていた。

「あまり強いものをかけますと、存在に気づかれるのでできません。お許しください」

「……構わぬ」

 ジュリアスは目を閉じてため息をついた。失血量があまりにも多く、話すのも目を開けるのもかなり辛い。

「そのままでお聞きください。王宮内でクーデターが起きまして、国王夫妻が王太子テセウス様により暗殺されました。テセウス様はものの半日ですべての機関を制圧され、新たな国王におなりになりました」

「…………」

「おそらくずっと前から隠密裏に事が運ばれていたものと思われます。反抗する貴族が何名か殺されたり処罰されたようですが、国内に騒乱は起きておりません」

「…………」

「解せませんのが、その折に隣国ケニオンの王太子妃のヘレネー様がいらっしゃった事です。万梨亜様はヘレネー様に連れ去られ……」

 そのテーレマコスの言葉をジュリアスは遮った。

「それは偽者だ。本物は魔王ルキフェルに攫われた」

「なんと!」

 テーレマコスは思わず大声をあげてしまい、はっとして口を噤んだ。テーレマコスの家は静かで彼以外は誰も居ない。彼が心配しているのは、いずれここをかぎつけてくる敵の魔術師の存在だ。ディフィールとケニオン、両方に警戒をしなければならなかった。

 ジュリアスの結界が綺麗に消えてしまい、テーレマコスの家は無防備状態になっている。だからテーレマコスは気が休まる時が無い。

 テーレマコスの大声で、ジュリアスは頭がはっきりとした。だが口調は重い。

「まだ……ヘレネーという女狐一匹なら……こんな事にもならなかったのだが、さすがに魔王相手では今の余では歯がたたぬ。余に気づかれぬようにテセウスとヘレネーが接触し、魔王が手助け……したのであろうよ」

 そこまで話すとジュリアスは大きく息をついた。

「どうにもならぬ……。今は動けぬ」

「しかし、万梨亜様は!」

「……、さて、いかがしたものか。ニケから詳しい事を聞くしかあるまい」

 テーレマコスは、穏やかなジュリアスが不思議でたまらなかった。最愛の相手が攫われてしまったというのに、この落ち着きようはなんだろうか。思えばこの王子が激情に駆られたところなど、一度たりとも見た事がない。それは真実の眼ですべてを見通しているからだと今までは思っていた。

 だが魔力を失い、真実の眼をも失ったというのに、ジュリアスはこんなにも穏やかだ。自分はずいぶんとこの王子に対して思い違いをしていたのではないだろうかと、テーレマコスは思う。

 そんなテーレマコスをジュリアスが笑った。血の気がないその顔でもその笑顔は明るく見えた。

「そなたは……真実の眼など無くとも、……考えが顔に出ているから……心を読む事など容易い」

「は……」

 テーレマコスは言い当てられて顔を紅潮させた。大の男が心中を当てられるのは恥ずかしい。

「諜報する者がそのようでは困る。余の事も万梨亜の事も……案ずる必要は無い。そなたは余の言うとおりに動けばよい。不安はすべてを無駄にする……。万梨亜はしばらく……魔王に苛まれるであろうが、それで力を得た魔王が今すぐ動く事はない……」

「確証はおありですか、王子」

「魔力の石の力の体(たい)は、陰……。陰の力が満ちるのは次の新月……。だが、魔王ならもっと効果的な……時期を選ぶであろうよ」

「……あ」

 テーレマコスは、ジュリアスの言っている意味をやっと飲み込んだ。その顔がまるでできの悪い生徒が教師に教えてもらって合点がいった時の様で、さらにジュリアスは微笑する。

「半年以上も先だ。陰の気がもっとも……満ちる”冬至”は。それまで魔王はせっせと万梨亜に、陰の気を……持たせようとするであろう……」

「王子……」

「布石は打った。後はすべて……万梨亜次第」

「王子のお考えはわかりましたが、万梨亜様では不安です。あの方は魔王に翻弄されてしまうのでは?」

「さて……。すべてを明かされた後、堕ちるか這い登るか……」

 あの場で動けなかったが、ジュリアスにはすべてが聞こえていた。マリアの正体、ジュリアスの正体、己自身の正体……それを知った万梨亜の驚愕……。ジュリアスは目を細く見開き、そこにはいない万梨亜に想いを馳せた。

「余とて、万梨亜を魔王に渡すのは……不愉快極まる事だ。あの身体に他の男が触れるかと思うと……はらわたが煮えくり返る。しかし、情に流されると取り返しの……つかぬ事になるゆえ……耐える事にしたのだ」

「ずいぶん忍耐がおありですね」

 もう休んだほうがいいと思い、テーレマコスはジュリアスの上掛けをさらに引き上げた。

「……なんの、連れ戻したらその時は容赦せぬ……」

 閉じる寸前のジュリアスの青い瞳に、炎が一瞬宿ったような気が、テーレマコスはした。すぐにジュリアスは眠りに落ち、その主人の眠りの妨げにならないようにテーレマコスは静かに部屋を出た。

 窓から外を見ると、ニケが黒馬の姿で走ってくる所だった。戸口に出てきたテーレマコスの前でニケは人に姿を変える。

「どうだ、万梨亜様は」

 テーレマコスの問いに、ニケは肩を思い切りすくめた。

「凄まじい寵愛ぶりらしいですよ。城には近寄れませんから、噂ですが」

「王子の耳には入れるな」 

 思わず顔をしかめたテーレマコスに、ニケは笑った。この魔族の男はこの展開を面白がっているようだ。

「わかりますよ~。魔王のお気持ち。万梨亜様はたまらん美女ですもんねえ。胸は大きいし腰は悩ましいし……ひゃははは」

「……そうか?」

「そうですよ。魔力の石にひかれぬ魔族はおりませんよ。ま、テーレマコスさんにはわからん感覚でしょうがねえ」

「…………」

「半神のジュリアス様が、なぜあそこまで万梨亜様を寵愛される方が、はるかに不思議ですよ俺は」

 ニケは懐から黒パンを取り出してかぶりついた。魔界から時空を超えて走りまくった為、お腹が空いているらしい。その食べっぷりが下品に見えて、貴族のテーレマコスはますます顔をしかめた。

「あのくらーい考え方、魔族にはたまらないものです。明るく前向きな人間を魔族は好みませんからね」

 ニケはパンを食べ終わると、今度は木で出来た水筒を腰から取り外して水を飲む。普通は逆ではないかとテーレマコスは思ったが、黙っていた。

「でもね、俺の半分の部分が、もう一方の万梨亜様もおいしそうって言うんですよ。俺、魔族と神との間の子ですからね」

「変な組み合わせだな」

「よくある事ですよ。万梨亜様の本質は”陽”。それを”陰”であるあの魔力の石が押さえつけてる。相反するものを持ってるんですから、どうなるのか楽しみで!」

「馬鹿者っ!!」

 思い切りそのニケの頭をなぐりつけ、テーレマコスは畑を耕すための器具を取りに小屋へ入った。ここ最近ずっとジュリアスを二人で交替して看護している。農夫なうえ村長に身を窶しているので、農地をほったらかしに出来ないのがテーレマコスの辛いところだった。

 

「ってえ……馬鹿力! 俺だって万梨亜様心配だっつーの。わからねえのかよ朴念仁!」

 小屋の外から、頭を抱えたニケが毒づいた。

 国王が変わって貴族達は右往左往しているようだが、末端の農民は支配者が変わるだけで生活はそう変わらない、おだやかに雲が流れ、牧歌的な風景は緩やかに流れていく季節を映し出している……。

 ケニオン王国でもクーデターが起きた。ヘレネーが裏で糸を引いてデュレイスを国王に据えたのだ。ケニオンは軍事国家であったため、農業国のディフィールのように上手く事は運びにくく、国内いたるところで騒乱が起き大変な事になっている。これ幸いとばかりに他国が乗り込んでこないのは、後々のケニオンの反撃が恐ろしいからである……。

 王座についたデュレイスは命を狙う兄弟を殺害し、反抗する者を容赦なく叩き潰した。だが潰しても潰しても反乱は起き、次々と敵対勢力が台頭してくる。彼の願う平和とは程遠い国になっていくのが悲しい。

 王宮の窓から遠くの山に立ち上る煙を見て、寝台に腰掛けたデュレイスは、万梨亜に化けているヘレネーの胸にもたれた。

「万梨亜、これで良かったのだろうか?」

「良かったのよ、デュレイス様。そのうち必ず平和になるわ」

「ん……そうだな、その為に私は王座についたのだから……」

 ヘレネーには向けた事の無い、優しい微笑をデュレイスは浮かべる。デュレイスを愛しているヘレネーには許せない事だった。

(あの女になら、こんな無防備な姿をお見せになるのね)

 ヘレネーが化けた万梨亜に、デュレイスは夢中だ。毎夜毎夜、その部屋に訪れて欲望のままに身体を重ねる。ヘレネーの姿で居る時とは比較にならないほど激しく、甘く、優しく、思いのたけをデュレイスはぶつけてくる。

「万梨亜……このまま眠るよ」

 デュレイスは安らかな顔をして、万梨亜に化けているヘレネーの膝の上で眠ってしまった。この男の心は万梨亜が握っているのだとはっきりと確信して、ヘレネーは唇をかみ締めた。

 その彼女に黒影が忍び寄り、膝をついた。

「ディフィールはどうなっておる?」

 デュレイスの頭を優しく撫でながらヘレネーがその影に聞いた。陰は赤黒い光を放ちながら返事をする。

「こちらと違いまして、もう完全に制圧されたようです」

「あのジュリアスは?」

「王宮の外の森に捨て置かれ、野犬が食ったものかと」

「馬鹿者。あの王子は神の血が色濃く流れておるのじゃ、そう簡単にくたばるものか」

「しかし、なんの気配も感じませぬ」

「わらわが彼奴の魔力を封印したからな」

 ヘレネーは自分の細い手首に巻ついている、銀色の蛇の腕輪を撫でた。その作り物の蛇の双眸には青い宝石が光っている。 

「テセウスは何ゆえとどめをささなかったのじゃ。あの王子が生きておっては、後々なんの災いが起こすかわかったものではないのじゃぞ」

 あの場に居たヘレネーは実体ではなかった。本体はケニオンにあり、遠く離れたディフィールで姿を形作るのと魔方陣を作るのに魔力を大量に消費したため、ジュリアスにとどめを刺す前に魔力が尽き、ディフィールから退散せざるを得なかったのだ。

「兄上も力を貸して下されたら良かったのに。あの万梨亜の懇願を聞き入れるとはなんのきまぐれであられたのやら」

 口をとがらせてヘレネーは文句を言った。

「半端な神など気にされますな、ヘレネー様」

 黒い瞳をきらりとさせて、ヘレネーは影を睨んだ。

「その油断が禍根を残すであろうぞ。必ずジュリアスを探し当てて今度こそ息の根を絶つのじゃ。早ければ早いほど良い。傷が深い今は動けぬであろうからの」

「……御意」

 影は赤い光をぼうっと放ちながら消え、ヘレネーは再びデュレイスに視線を戻した。若い王は深く眠っているようだ。

「デュレイス様、必ず貴方を世界の覇者にして差し上げましょうぞ。その時には必ずわらわだけを愛して下されますよう……」

 生暖かい風が開いている窓から吹いた。ケニオンから騒乱の炎が消えるのはまだ遠い。

 万梨亜は数名の侍女達に湯殿へ連れこられ、灰色の大理石で出来た大きな浴槽の脇で侍女達に身体を丁寧に洗われていた。このような扱いはされた事がない。

 魔王ルキフェルは万梨亜に口づけた後、この侍女達を呼んで、自分の寵愛を受けるのふさわしい女に磨き上げるようにと言いつけた。侍女達はそれをうやうやしく聞き、万梨亜をあの部屋からこの湯殿へ連れてきたのだ。

 侍女達はさまざまな姿形をしていた。普通の人間にしか見えない者。肌が銀色のうろこで覆われている者。目が顔にひとつしかついていない者……。改めて魔界へ連れ去られたのだとわかる。侍女達は洗い終えた万梨亜の身体をやわらかなタオルで丁寧に拭き、不思議な香りのする香油を肌にこすりつけた。腰まで波打つ黒髪も丁寧に乾かされ、霧状の花の匂いのするものを振りかけられる。

 万梨亜はそこまでは、まるで夢の中のできごとの様にぼんやりとして見ていたのだが、一人の侍女が広げた衣服で意識がはっきり戻った。透ける布地で作られた、夜着。黒の羽衣のようなそれは、まったく衣服の用をなしていなかった。身体の線も、胸の蕾も、下腹部の茂みも、透けるその服は男を煽るように映し出している。これからあのルキフェルに抱かれてしまうのだ。

 侍女が手を差し出した。

「さあ、お支度ができました。こちらへ……」

 嫌だ。

 その二文字しか頭の中に浮かばない。

 万梨亜は後ろの侍女が持っている大きなタオルを奪い、前の侍女を突き飛ばして廊下に走り出た。背後で侍女達が大声をあげている。

 タオルを頭から被り、万梨亜は広い建物の中をひたすら走った。どこかに出口があるはずだ。とにかくあの魔王から離れたい。ヘレネーに似たあの恐ろしい美しさと残忍さが怖い、怖い、怖い!

 その時にジュリアスの神々しい姿を頭に思い描いたのは、何故だろう。

 ジュリアスだって同じだ。万梨亜を無理やり抱いて、無理やり妃にした。本当は魔力の石が欲しいだけだったろうに、万梨亜を愛しているなどと嘯いた。それなのに万梨亜は今なぜか、そのジュリアスに縋りたくなった。外見の冷たさとは対照的なあの熱い腕の中に身を投じたいと思った。

 きっとあの愛の言葉に蕩かされた心の半分がそう願うのだろう。自分はいつもそうだ、優しくされるとたちまち心を許そうとしてしまう。自分はそういうところがとても愚かしい。

「はあ……っ……は……」

 走っても走っても出口は見えなかった。魔界の王の城なのだから大きくて当然だった。でも不思議な事に誰も見かけない。不気味に思いだした頃、やっと外へ通じるドアが現れた。万梨亜は息を荒くつきながらさび付いているドアの鍵を開け、開ける力に対して軋んで抵抗を示す古いドアを渾身の力で開けた。

「!」

 激しい風が吹き込み、万梨亜が羽織っていた大きなタオルを吹き飛ばした。目が開けていられないほどの強い風だ。

「……そんな」

 眼が慣れた万梨亜が立っている場所は、地上十階の高さがありそうな場所だった。ドアの外は切り立った崖でとても外へ出られそうも無い。こんな高さを飛び降りたら死んでしまう。

「我がそなたを逃がすと思うのか……」

 あの声が背後から響き、万梨亜は背筋が凍った。その声の主はゆっくりと万梨亜の身体を抱きしめる。ジュリアスではない、浅黒い、ごつごつとした大きな手と、力強さしか感じられない長い指。

「……いや、です」

「何?」

「帰してください」

「どこへ?」

 ルキフェルの右手の指が舐めるように乳房を辿り、鎖骨をなぞり、首を撫でた後顎にかかって横に向けられた。覆いかぶさるように漆黒の瞳が万梨亜を見つめる。

 そこに確かな欲情を見て、万梨亜は恐ろしくてたまらないが声を振り絞った。

「ジュリアス王子のもとへ」

「我の望みをかなえるのなら、帰してやろうぞ……」

「望み……とは」

 旋風が巻き起こり、それがルキフェルが黒い翼を広げたせいだと判った時には、万梨亜はルキフェルの寝台の上に横たわっていた。圧し掛かるルキフェルから逃げようと寝台の上を這ったが、直ぐにつかまってしまう。

「いやです!」

「無駄な事を」

 万梨亜はルキフェルに両腕をつかまれ押し倒された。怯える万梨亜の耳元に口をつけて、ねっとりとした声でルキフェルが囁く。

「我のものになれ万梨亜、魔力の石を持つ女よ」

「あ……やめ……」

 またさっきのように唇が重なった。舌が差し入れられて万梨亜の口腔内を這い回り、万梨亜の女をかき乱していく。

「んん……ふ」

 別の男の下に居るのに、万梨亜の心に浮かぶのはジュリアスだけだった。滅多に見せない優しい微笑を浮かべる彼を見るたびに、好きになってはいけない、好きになるものかといつも思った……。

 ルキフェルの手が夜着の上から胸の先端を探り当て、硬くしこらせていく。反応したくもないのに、ルキフェルの愛撫に身体が熱くなっていくのはどういう事だろう。自分は誰が相手でもこのように足を開く淫乱な女なのだろうか。

 さっきから、涙が止まらない。

『万梨亜、そなたは余の為に生まれてきた女だ。いずれ思い知るであろうよ』

 脳裏に甦ったジュリアスの目の青い輝きに胸が熱くなった。そうだ、あの人だけだ、自分が抱かれても良いと思うのは。

 万梨亜はやっと気づいた。逃げようとしても、認めなくても、自分の心はジュリアスにとっくに捕まっていた事に。ジュリアスが一目で万梨亜に恋したように、万梨亜も一目でジュリアスに恋していた。

 鈍く光る銀の指輪がその証拠だと、テーレマコスが言っていた……。

「素晴らしい身体だ。さすがよな」

 ルキフェルが満足した声で言い、絶望の淵に堕ちている万梨亜をさらに深く嬲り始めた。

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