天の園 地の楽園 第2部 第26話

「今飲んだ媚薬、効いてくると効果が絶大なんだ。そろそろその強い効果が出てくる頃だよ」
「やあ……そん……ああ」
 官能の高まりでお互い息が激しくなってきたが、薬が効いてきた恵美は尋常ではなかった。貴明がちょっと触っただけでも、稲妻のように甘い刺激が身体中を駆け巡るのだ。
「もうこれは必要ないね」
 力が抜けつつある恵美を見て、貴明が恵美の手首を縛っていた紐をほどいた。恵美の腕はそのままくたんとしている。動きたくても動くと甘くしびれて力が抜けてしまう。

「可愛い……。真っ赤な顔して」
 貴明が快楽に従順になった恵美を膝の上に乗せて足を大きく開き、びしょぬれになっている陰裂に指を這わせる。片方の手で乳房を揉み尖った先に爪を立てた。
「ああっ! んん……っ。あ、あ!」
 駆け巡る甘いうずきに恵美は貴明の膝の上で身体を震わせた。両手は貴明の腕を力なく握っている。貴明に後ろから耳を舐められたり甘噛みされると、恵美は矯声をあげてますます陰裂を蜜でぬらつかせていく。
「こおんなに濡らして恥ずかしくなーい?」
「貴方が……っ変なもん飲ませ……るからっ!」
 恵美はさっきから自分の吐息とか喘ぎ声ばかりが響くので、恥ずかしくて仕方ない上に圭吾に対して後ろめたい。でもこの貴明という男は自分を離してくれそうもない。
「相変わらずここは淡い薔薇色だね。きれいだよ。淫らに咲いて物欲しげにうごいてる……」
 花芯を上下左右にこすられたかと思うと、ぐにぐに押されたり、花びらをかぶせられるように揉まれたりして、容赦ない甘いうずきが襲いかかってきた。
「ううう! は……いやあ!」
「いやなんてうそつき……」
 貴明が指を増やしてさらにその部分を撫で回す。撫で回しながら自分のシャツのボタンを外し服を脱いだ。しかし下は恵美をおろさないと脱げないので貴明は恵美を横たえるとベッドの横で脱いだ。チャンスだと思った恵美は、必死に快感にしびれる身体を叱咤して震えながらベッドを降りようとして、呆気なく貴明に捕まり再び仰向けに押さえつけられた。
「逃げたって無駄だよ?」
 熱く固いものが甘い痺れを撒き散らしながら恵美の中を満たし、恵美は逃げようとしていたのに腰の芯がとろける愉悦に善がった。
「いやあ……は……あ!」
「嫌がってるけど、下の口は嫌がってないみたいだよ」
 最初から猛然と突かれて卑猥な音が立て続けに響き、恵美の心も犯していく。
「あ……圭吾」
「僕は親父じゃない」
 圭吾に助けを求めているのをわかっていながら、貴明が不機嫌に言った。そして不愉快な事を言った唇を唇で塞ぐ。恵美は、塞がれた事でより一層貴明を締め付けた。汗みずくの胸先を含み笑いをする貴明の指でめちゃくちゃに擦り上げられて、歓ばせたくもないのに恵美は狂ったようにもがいて貴明を喜ばせた。
「あ……やあ!あっ」
 唇が離れた途端に聞きたくない声が出る。感じたくないのにもう下半身は言う事を聞かない。貴明を欲してますますどん欲に腰が動く。熱くて固いそれがまた大きくなり、自分の中を暴れ回る貴明を求めて胎内がうごめいた。言葉にならない声をあげ続ける恵美の耳元に、貴明が熱い息をふきかけた。
「恵美、僕を思い出せ」
「……知らない、貴方なんか知らないよ……」
 その言葉に頭にきた貴明が、いきなり自分のモノを抜いた。
「そう……? じゃあイけないまま夜明かしするか?」
 代わりに指が入り、じれったいほどのゆっくりさで陰裂を撫で回す。秘唇は貴明を欲して淫らにうごく。触るか触らないかの刺激で花芯に触れられ、恵美は強い刺激を欲しくて自分の腰を動かしたが、その動きに合わせて指は退いてしまう。
「……僕を欲しいと言え」
「いや」
「いやな奴がどうしてこんなに濡れてるの?」
 いきなり指が三本も秘唇に突き入れられた。
「あっ……く……は」
 甘い衝撃に恵美は首を振った。貴明の顔が股間に埋まり、固くふくれあがった花芯をつつくように舐められると、中途半端な疼く痺れが恵美を苦しめた。
「あ……あ、やめ……て!」
「ふうん、じゃあ一晩中よがり狂えば?」
 いきたいのに貴明はいかせてくれない。恵美は気が狂いそうな官能のうずきでどうにかなってしまいそうだ。
「わ、か……た。だから」
「欲しいんだな?」
「欲しい……」
 たちまちそれは来た。恵美は両手を貴明に押さえつけられて、突き上げられ声を上げて悦んだ。
「あああっ。あん、あん、ああ!」
「よかったね、いかせてもらえそうで」
「ああっ! あ!」
「たまらないね……相変わらず最高だ」
 恵美の両足を肩に乗せた貴明がさらに奥を突いた。新しい愉悦に星が散るのが見え、段違いのむず痒さがそこから駆け上がってくる。
「はあん!」
 恵美の中がびくびくして絶頂に近い事を知ると、貴明がさらに一点を集中的に自分のモノで突いた。
「あああああーーーっ!だめえ!」
「……恵美……気持ち……よすぎ」
「や! だめ……私」
「いく……よ。出すから」
 出されるのを察知して恵美は逃げようとした。貴明は逃さないとばかりに恵美の細い腰を抱きしめ、精を放つ。
「ど……して…………」
 胎内に注ぎ込まれる熱にすら感じる自分の身体が辛い。どうしてこんな事をされなければならないのだろう。
「ひどいと思ってるのなら……お門違いだよ。ひどいのは親父さ。親父はお前を僕から奪ってやりたい放題だ」
「そんなの……嘘! いい……加減……にして」
 今の圭吾は、以前の彼からは信じられないほどの優しさで恵美に接している。恵美を深く愛してしまった圭吾が、彼女に乱暴を働く事はない。恵美の目には、奪うとかそういう悪い類の事はできない男にしか見えないのだ。
 震える恵美の肩に、貴明が微笑みながら口付けた。
「いずれ思い知るよ。僕の言う事が正しかった事をね。思い出すまでつきあってあげる」
「も……来ないで」
 これ以上圭吾を裏切りたくはない。彼以外に抱かれたくない。それなのに挿入されたままの貴明のモノがまた芯を持って固くなっていく。
「来るよ。親父がいないときは必ずね。メイド達全員が親父の味方だとは思わない事だ」
 乳房を力任せに握りしめられた痛みで、恵美は悲鳴を上げた。再び激しく中を擦りあげられて、身体が貴明を求めだす。汗を滴らせながら貴明が言った。
「産むのなら僕の子供を産めよ」
「いら……ない」
 かつての恋人の狂おしい愛撫は、記憶のない恵美には辛い責め苦以外にはならない……。そんな恵美に、必死に自分を思い出させようとして貴明が何度も何度も愛を囁いた。
「思い出して、こうやって抱いたよ」
「知らない……、わか……ない」
 押しのけようとして伸ばした手は貴明に捕らえられ、舐めるように吸い付かれた。
「愛してる、本当だよ」
「知……らない」
「早く思い出して……ね?」
 五本の指が絡みついてベッドに押さえつけられる。圭吾とは違う男のにおいがさらに罪悪感を煽り立て、恵美の心を固く閉じさせた。この男はちっとも優しくない、嫌な事ばかりする……。
(怖いよ、圭吾)
 朝まで貴明から解放されなかった恵美は、一晩中圭吾を求めて泣いていた。貴明の想いは今の恵美には迷惑なだけの、恐ろしいものだった。