【 完結済 ファンタジー 恋愛 美形 神子 異世界トリップ 強引 ヤンデレ 竜 ハッピーエンド 身代わり】
部活仲間の稔と言い合っている最中に、稔の小説ノートに吸い込まれてしまった鈴。その世界は魔法が使えて竜に変身する人間が居るという、まさしくファンタジーな世界。おまけにそこには稔にそっくりな宰相と、二ヶ月前に別れたばかりの彼に似ている王が居て、何故か王妃の身代わりをする事になってしまい……。
鈴 白の神子姫。超前向きな性格。 ジークフリード 黒の竜族。宰相。 リン王妃 マリク王国の王妃。 リヒャルト国王 マリク王国の国王。 オ……
華やかな舞踏会が繰り広げられていた。 着飾った貴族や軍人、王宮への出入りが許されている商人たち、隣国からの貴族や王族が参加……
「なに、この暗い割には軽そうな話」 「暗くない。この渾身の作を暗いなんて、お前はまじで女捨ててんな」 ぽいと|稔《じん》にノ……
目覚めたら、おとぎ話のお姫様が眠るようなベッドに横になっていた。 ……私って、確か部室に居たんだよね? そんでなんか白い光に……
目覚めた時、自分の部屋ではなくてがっかりした。 あーあ……、やっぱり妙な魔法のノートに摂り憑かれてるんだ。なんで読めたんだ……
「ちょ……、私、したことないっ」 「心配ない。私はある」 「あんたなんか嫌いだってば!」 「嫌いだろうが好きだろうが、身体を繋……
起きたら、隣にジークフリードがいなくてほっとした。 「痛!」 起き上がった途端、もんのすごい激痛が下半身を中心に走った。 身体……
それから一週間ほど、私はジークフリードの詰め込み教育を受けた。 本を読んだり、文章を書いたりはいいのだけど、ダンスとか、礼……
その夜、陛下が部屋に偲んで来た。 「な、な、なんでしょうかっ」 びびる私の前で陛下の顔がゆがみ、ジークフリードの姿になった。……
なんか……あったかいな。すべすべしてるというか、あらぬところがべたべたしているというか……。 ああ、シーツはさらさらで気持……
そして、再び私は、ジークフリードのダンスの猛特訓を受けていた。 この男も忙しいだろうに、よくつきあうもんだ。 元の世界で言う……
舞踏会というものに出るのは初めてだ。 国王主催なので名だたる貴族が列席し、しかも今回は、諸外国の貴族や王族が招かれている。……
「王后陛下、貴女は国王陛下にとっての唯一の御方です。それは誰にも覆せないのです。それをよくご理解ください」 「ジークフリー……
白木さんは、驚いている私に大笑いした。 「私も一応神子だからね。対になる神子が替え玉だなんてすぐにわかったのよ。ものすごく……
ご飯らしいご飯が差し入れられたのは、このかび臭くて汚い牢獄に入れられてから二日後の夜だった。扉の横にある差し入れ口から入……
馬車が止まったのは、次の日の夕方だった。 脱獄した時刻は、深夜だと思っていたのは私の勘違いで、夜明け前に限りなく近い、人が……
車窓の外には、大草原が広がっていた。私の身長程しかない低い木が、硬そうな緑の葉を扇のように広げて、おおよそ茂っているとは……
宿へ入るなり、ギュンター王子は真っ先に宿屋の主人に、部屋へ案内させた。 「疲れただろうから、ゆっくり休んで」 そう言って、笑……
薄暗い中で目覚めたら、清潔で真っ白な天井が目に入った。 「気づきましたか? まだ時間は少ししか経ってません。同じ日の夜です」……
「黒竜公……」 オトフリートがつぶやいた。 黒竜公って、ジークフリードのお父さんよね? 道理で顔が似てると思った……。すごく怖……
ジークフリードの手のひらが、熱い。 何度も何度も、私の首筋に口付けを繰り返し、体温を移すかのように密着する。うれしそうに囁……
あー……あったかい。 ふんわりふわふわ……気持ちいい。すべすべだし。ん? すべすべって何が? すべすべ……。 違和感に目をぱちっ……
ああ、また夢の中だ。 この空間は記憶にある……。 確か、白木さんとオトフリートに夢の中で出会った時、こんな柔らかな空間だった……
『ロザリン姫について、どこまでご存知ですか?』 「ギュンター王子のお兄さんの婚約者で、血縁に黒竜公の妹君がいらっしゃるって……
ぶわりと何かが吹き出て、周りが七色の虹に包まれた。 オトフリートに抱きしめられたまま、身体はどこかへ運ばれていく。夢だけれ……
「やっと行ってくれたのね、ドリス様のところへ」 はー……。 気が抜けた私は、ソファに深く沈みこんだ。 連れ去られてから、もう一……
翌朝、妙な色の飲み物を、シャルロッテに手渡された。 クリスタルのグラスに入っているそれは、白色に七色の虹が混ざっているよう……
結局、何の収穫もないまま、貴重な外出日は終わってしまった。 知りたくもないのに知った情報は、ギュンター王子は何が何でも私を……
侍女たちが、おろおろと懇願している。 「お鎮まり下さいませ、王后陛下。どうか、どうか……」 「お前たちこそお下がり。私はその……
皇太子妃候補からは外されたとのことで、私はその日のうちに王后の棟へ移った。ギュンター王子にまた言い寄られたら困るし、ジー……
白木さんに会いたい。彼女はきっと、オトフリートに詳しいはずだ。だって、私の夢の中へ一緒に入ってきたくらいだし。 私もそんな……
「銀……」 私の呟きに、オトフリートはくすりと笑った。 「最初に貴女の夢に訪問した時に、そう言ったでしょう? 私は銀の竜族だと……
あれ? いつまで待っても衝撃が来ない。それどころか、ジークフリードは私を離し、黒竜公を追う。 「お待ちを! 父上」 黒竜公は立ち……
オトフリートは、ジークフリードが傷口を治そうとするのを、頑なに拒否した。 「私は、この城に……鈴……様がいらした時に、黒………
それから、百年の年月が過ぎた。 私は久しぶりに、ジークフリードのお城から王都の近くに転移し、そこから馬車で王宮へ伺候した。……