あとひとつのキーワード

【完結済 恋愛 結婚 婚約破棄 現代 裏切り 魔法 ファンタジー要素あり】
倉橋すみれには前世の記憶がある。同じ人を好きになり告白したが手痛い代償を受ける羽目になり、世間の風はとてもすみれに冷たい。その傷を抉るかのように迫ってくるのは、前世と同じように自分を破滅へと導く男だった。もう誰も愛したくないすみれは、偽りの自分をいつまで演じ続けるのだろうか。

あとひとつのキーワード 第01話

「これは一体どういうこと? レイナルド様は、ソフィア様と別れて、私と結婚すると約束してくださったはずでしょう?」 夢の中の私

あとひとつのキーワード 第02話

私は俗に言う、天涯孤独の身の上だ。 父と母は想いあう仲だったらしいけれど、とある大企業の跡取りだった父と、普通の家柄の母と

あとひとつのキーワード 第03話

靖則は、顔だけはいい男だから、目の保養にはなると思う。 だけど心の中は、溝のような汚さで満ち溢れているに違いない。 でもそれ

あとひとつのキーワード 第04話

営業から回ってきた書類に不備があり、営業部のある4階のフロアに向かっている最中に、見覚えのある姿が目に入ってきて思わず足

あとひとつのキーワード 第05話

真嗣さんから連絡があったのは、それから数日後だった。当時勤めていた会社で、仕事だった給与計算の処理がちょうど終わって一息

あとひとつのキーワード 第06話

アパートの部屋に戻ってドアを閉めるのと同時に、携帯端末が鳴った。 見ると真嗣さんだ。まだパーティー中じゃないかな。 出てもい

あとひとつのキーワード 第07話

それからの私は、真嗣さんの呼び出しに臆することなく応じるようになった。それは沙彩のプレゼントに関する相談だったり、食事に

あとひとつのキーワード 第08話

夢の中で、私はカンテラのようなものを持ち、夜の暗闇の中を、腰に剣を佩いた男と二人で歩いていた。魔法の壁のようなものが二人

あとひとつのキーワード 第09話

12月に入って寒さが深まっていた。真嗣さんは相変わらず私をデートに誘ってくれ、私はそれに応えていた。沙彩も靖則も父も、私

あとひとつのキーワード 第10話

女に刺されて数日後、目覚めた時には処置は全て終わっており、麻酔が施されている身体には違和感しか無かった。 一番先に目に入っ

あとひとつのキーワード 第11話

それから数日後、父が来た。 ノックもなしに入ってきた父は、横になっている私に起きろと命令した。まだ痛む身体を苦労して起き上

あとひとつのキーワード 第12話

半年に渡る苦しいリハビリが終わる頃、季節は梅雨に入っていた。 靖則はほぼ毎日私のリハビリに付き添い、来るなと言っても頑とし

あとひとつのキーワード 第13話

退院の日の朝、いつも午後に来る靖則が朝食を取っている間に来た。 「ずいぶん早いわね」 「仕事は休みました」 靖則は私の荷物をち

あとひとつのキーワード 第14話

そして私は、今の状況下にあるわけだ。 沙彩のシナリオ通り、今日も真嗣さんの会社で白い目で見られながら、仕事をしている。 午後

あとひとつのキーワード 第15話

あれ以来、ひなりは他社へ出向しており、詳しい話を聞けていない。謎掛けみたいな言葉を残してくれたせいで、物思いが増えた。 そ

あとひとつのキーワード 第16話

結局、ひなりと私が同じ布団で寝ることになってしまい、窮屈な寝心地で最悪な夜を迎えることになった。 「いいじゃないの。女同士

あとひとつのキーワード 第17話

朝食を食べ終えて靖則の様子を見に行くと、靖則は既に起きていて、しかも布団を畳んでいた。 「ちょっと、怪我は大丈夫なの?」 「

あとひとつのキーワード 第18話

ばこんと頭を叩かれ、痛くて目が覚めた。 叩いたのはひなりだった。 「やっと起きた。寝坊にも程があるわ」 「靖則にやられたの! 見

あとひとつのキーワード 第19話

『今日も美しいね、ジョセフィーヌ』 王宮の廊下で背後から突然話しかけてきたのは、ソフィアの父の宰相だ。初老に入っているとい

あとひとつのキーワード 第20話

沙彩は部屋を出ていき、その後、真嗣さんは鍵をかけた。 「そんなに怖い顔をしないでください。私と結婚したいって言ってたじゃな

あとひとつのキーワード 第21話

ものすごい量の前世の記憶がなだれ込んでくる。さすがに辛くてしゃがみこんだ私を靖則が抱き上げて、寝台に腰掛けさせてくれた。

あとひとつのキーワード 第22話

不意にバリアーが消えた。 「どうしてなの? どうして封印が完全に解けたの? すみれが靖則を許すはずがないのに……!」 沙彩が悔し