アイリーンと美獣 第16話

「蒼人早く来ないかな~。来ないと壱夜の初主演のビデオを販売しちゃうぞーっと♪」

 びちゃびちゃと壱夜を嬲る舌の水音の中で、遠足に行く子供のように一人がはしゃいでいる。

 いつの間にか体育会系が壱夜を背後から抱き上げ、両乳首を紐で擦ったり、媚薬のぬめりを利用して指で押しつぶしてはつまみを繰り返している。ますます敏感になっている乳首は大きくなり、男達の欲を誘った。

「ちくしょう、なんてエロいんだよこいつ!」

「ああッ……やめ……えっ」

 男がぷっくり膨らんでいる乳首にじううううっと吸い付いて、執拗に舐め始めた。体育会系はその男の為に胸全体を掴んで揉み始める。薄い胸だが十分に性感帯になっているため、ダイレクトな快感がそこから迸り出た。負けじと長髪が壱夜の首筋に吸い付いて舐めて吸いながら、尻肉を鷲掴んだ。

「ううううっ……は……んんっ」

 力任せに揉みこまれているのに、痛くて気持ちがいい。すぐ近くのアヌスは三本の指を咥えてよだれをたらしている。柔らかくとろけたそこは、きゅうきゅうと男の指を喜んで咥えて歓んでいた。

「もっと喚けよ! エロい声出せっ」

「ひあァっ……はあんっ……あっあっ!!」

 ぐりぐりと前立腺を指で押さえつけられ、ギンと肉棒に熱が集まる。誰かの口がさっきから肉棒を舐めしゃぶっていて、ぬるぬると唾液と媚薬で濡れ光っていた。

「こいつ自分の触ってねえのな。綺麗な色してるぜ」

「チェリーちゃんってか? ひゃははっ!」

 じゅるるると先端を強く吸い付かれたのと同時に、男達が申し合わせたかのように壱夜に刺激を加えた。ある者は肩に吸い付き、ある者はアヌスの感じる部分を強く擦り、ある者達は左右の乳首を唇で強く吸い付いて舌でチロチロと扱いた。

「あああああ……あ───っ!!!!!」

 びくんびくんと身体が跳ねた。肉棒に吸い付いている男が、吐き出された熱い白濁をごくごくと飲み干していく。壱夜は喘いで荒い呼吸を繰り返して身体をがくがくと震わせる。もう目がかすんで天井もぼやけてよく見えない。何もわからない。わかるのは自分をまさぐる男達の愛撫だけだ。

「まず一発だな……。今夜は出なくなるまで可愛がってやるから」

 長髪がいやらしく笑って、壱夜に再び口づけた。先程よりも淫靡に動く舌が壱夜をますます翻弄する。力を無くした人形のような壱夜の身体を、体育会系が背後から両足を持って抱え上げた。

「もうやっちまうのかよ?」

 男が言うと、体育会系がふっと息をついた。

「こんないやらしい身体を前にして、いつまでも我慢できっか」

「そーか。じゃあ次は俺だぜ」

「いーんじゃね? 皆でまわせば。何回まで持つかなこいつ」

「さあ?」

 ずぶりと体育会系の肉棒が熱い秘肉に突き刺さった。太いカリ首は抗議をする壱夜のアヌスを押し広げ、そのまま胎内に侵入していく。

「うあああっ……ああ……んだめ……でか……ぁっ」

「いいぜお前。熱くて吸い付いてきやがる」

 体育会系がべろべろと壱夜の耳を舐めた。串刺しにされた壱夜の身体はもう汗まみれだった。濡れ光るその細い身体が、淫らにうごめいて男達を歓ばせる。

「ああっ……あんっ、やだ、うん……ああはぁん!」

「ひゅーっ。かわいこちゃんだなあっ」

「たまんねえよ」

 乱暴な突き上げが始まり、壱夜は逃げようとしてもがいた。長髪の男が壱夜を抱きかかえて下になり、再び固さを取り戻し始めた壱夜の肉棒を扱き始める、上からは体育会系が壱夜の両胸を揉みしだいて容赦なく腰を揺さぶる。

 ズッチュニュッチュ……ズッズッ……ズブブ。

「はあ……あッ……アッはッ……たまんないよ……あんッ!」

 壱夜が快感を訴えると、愛撫に激しさが加わった。赤くはれ上がった乳首を体育会系が摘まんで捻りあげた。

「ひあああッ」

「ったくよ。どれだけ……嬲られたら……こんなにでかくなるんだよッ!」

 ぐいぐいとアヌスを奥深く擦られる。媚薬のせいかもとからなのか、熱くて痒くてジンジンしてたまらない。もっと強く擦りあげて欲しいと自ら腰を揺すり、それを見た周囲の男達がいやらしく笑う。

「足りないって言ってるぜ」

「るせえ。これからだッ」

「───ッ……あああああっ!」

 めちゃくちゃに背後から突かれて、壱夜の身体は長髪と体育会系の身体と擦りあって熱を新たに持った。長髪が壱夜に執拗な口付けを繰り返しながら、絞るようにぬるぬるの肉棒を何度も何度も扱き上げていく。だが射精は許されず、いきそうになると根元をきつく指で締められてしまう。

「あああっ……も……許して……えっ!」

「こんなもんじゃねえんだよ。かわいこちゃんっ」

 体育会系がうれしそうに言って、さらに腰を加速させた。

「だめっ……あうっ、っあああ!」

 突然見ているだけだった男の一人が、壱夜の片方の乳首にローターを押し当てた。壱夜は身体をくねらせようとして、体育会系に腰を抱きかかえられる。同時にもう一人が陰部へ電気マッサージ器を押し付けた。

「ああんっ……あああ───っ……やめええええっ」

「うわ、締め付けやがるぜ……くっ」

 ぎゅうぎゅうに締め付けられ、体育会系が熱を放った。壱夜の中で乱暴に叩きつけられたそれが、どろどろと熱く満たしていく……。ずるりと萎えた肉棒が抜かれ、壱夜はそのまま長髪の上でぐったりとした。呼吸は荒く、肩で息を繰り返す壱夜の姿を、何台ものカメラが撮影している。

「数人に陵辱されて喜ぶかわいそうな青年か。んー……何か足りないなあ」

 一人は優雅にソファに足を組んで腰掛け、用意されていた氷入りのグラスにコニャックを注いだ。カランと透明な音を立てたそれを一口飲み、首を傾げる。

「何だろうなあ……。これだけじゃ売れないよね」

 考え込んでいる一人の前で、壱夜は男達によって片方の乳首を挟むようにローターをテープで固定され、肉棒と双球に電気マッサージ器を取り付けられていく。長髪の男がそんな壱夜の片足を抱え上げて、濡れてひくつくアヌスに自分の肉棒を押し込んで揺すり始める。

「誰でも反応するビッチかなあ?」

 にっこり笑い、そうだ、これだなと一人が一人ごちた瞬間、壱夜が気が狂ったように暴れだした。

「───っ……! ああああ───」

 見ると、長髪が串刺しにしているところへ、背後から男の一人が自分の肉棒をさらに壱夜のアヌスへ押し込んだのだ。叫んで当然だった。

「やあああっ……それ、あううッ……やめ! あぐっ。はあっ……」

「おやおや二輪挿し? 結構良い事思いついたね」

 一人がそう言って男達に近寄ると、にやにや笑って見ていた体育会系が言った。

「こいつのアヌスは調子がいいですからね。一人様も如何です?」

「んー……あんまり私は興味ないな」

「もったいない、なかなかお目にかかれないですよ、ここまでよく調教されているかわいこちゃんは」

 一人の白い手が、涙とよだれを流し続ける壱夜の顎に触れた。その手は妙に冷たくて壱夜がびくっと反応する。

「……確かにかわいいけど、蒼人ほどではないですから」

「比べるのがどうかしてますよ。ぜんぜん似てません」

「そうですね。ですが、この坊やは蒼人とさんざん楽しんだはずだ。それを私は知りたい……。あの目が、唇が、肉棒が、どんなふうに嬲って責め苛んだかをね……」

 狂気に染まっていく一人の凄惨な美しさに、体育会系はごくりと生唾を飲み込んだ。一人によってスカウトされ、アダルト男優として長髪と供にいろんな男を抱いてきたが、一人のような妖しい美しさの男は抱いた事はない。

「今夜中に来てくれないと、壱夜を売っちゃうよ、蒼人」

 男達は壱夜を舐めてしゃぶり、貫いている。なす術も無く言いなりになっている壱夜の身体は、一人が想う蒼人を知っているのだ。

「許せないよ、この程度で蒼人を誘うなんて。身の程知らずもいいところ。めちゃくちゃにやられてボロボロになってしまえばいいんだよ」

「まあまあ落ち着いて一人様」

 背後から壱夜を貫いていた男が欲を放ってずるりと肉棒を抜いた。続くように長髪が壱夜に腰を押し付けて射精している。

「あああああ……ん……あっは……うぅ」

「たっぷり飲み込んでいるようですね。掻き出すのが大変そうだ」

 体育会系が楽しそうに言った。

 やがて長髪も自分の肉棒を抜いた。二人の男の肉棒を離したアヌスは赤くはれ上がり、パクパクと蠢きながら白い液体をだらだらと流している。壱夜は開放された安堵からそのまま崩れ落ちようとした。しかしそれを長髪が壱夜の後ろ手に括られている部分を掴んで阻む。

「あ……あん」

「まだおねんねには早いよ」

 髪を掴まれて長髪に口づけをされる。この長髪のキスは定評があって、何人もの男達が堕ちている。かすかに震える壱夜の両手が長髪を押しのけようとしているのは、まだ堕ちていない証だった。面白くなさそうに、ふんと一人が鼻を鳴らした。

「お前達はまだまだだな。蒼人には遠く及ばない」

「はいはい、わかってますって」

 体育会系がなだめるように一人を背後から抱きしめた。一人は鬱憤晴らしをするように体育会系に首を回してキスをする。

「こんな奴より私の方が素晴らしいはずだ!」

「もちろんですよ」

 一人は体育会系に胸を弄らせながら、壱夜に挑戦的な視線を投げかけた。だが壱夜は三人目の男にアヌスを貫かれ、長髪に乳首に吸い付かれて悶えていた。一人の事など見えてはいないのだ。

「やだ……っ、も……っ! ああっ!」

 壱夜は慰み者にされながら、猛烈に心の一部分で怒っていた。

(やっぱり我慢できねーっ! 早く助けに来やがれ蒼人! 岩井!)

 だが二人が来る気配は全く無く、壱夜はそのまま快楽の水底へ沈められていくのだった。

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