麻理子の愚痴を聞いていた恵美。そんな二人に大風が吹いて、二人の中身が入れ替わってしまった! それぞれの夫達にばれないように頑張る二人。戻れないまま、中身が麻理子の恵美が誘拐されてしまってさあ大変。コメディなのに、どこかシリアスなお話です。 注意:天使シリーズをすべて読破しないと、多分面白くないです。
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石川恵美  30歳 普通の主婦のつもりでいるが、やたらと男を惹きつける魅力を持ち、波乱怒涛の人生を歩んでいる。佐藤麻理子 28歳 恵美の友人。大企業佐藤グループの社長夫人。佐藤貴明  30歳 佐藤グループの社長。石川雅明  30歳 貴明の双 ...

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「……なんのギャグよこれ」 『麻理子』はぶつぶつ言いながら、クッションをお腹に抱えてふんわりソファに寝転んだ。白を貴重としたモダンな内装の部屋、ガラスのテーブルには銀の縁取り、他にも高価そうな備品たち。花瓶にいけられた薔薇達の芳香で頭が痛く ...

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 『恵美』は肩が凝って仕方が無く、気がついたら両肩をトントンと叩いている。原因は恵美の大きすぎる胸のせいだ。実は麻理子は恵美の豊満な身体つきをかなりうらやましく思っていて、貴明が本当は自分に満足していないのではないかと不安に思うくらいだった ...

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「やあ麻理子、今日は気分が悪いんだって?」 佐藤邸生活二日目、ついに貴明が外出先から帰ってきてしまった。 貴明は着ていたスーツを暑そうに脱いでばさっとソファの背に掛けると、緊張の極致にいる『麻理子』の隣に座った。当然の如く肩に手を回してくる ...

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 夜を一人で過ごし静かで穏やかな朝の陽射しの中、『恵美』は家の前を掃き掃除していた。初日の夜は奥様連中数人が泊まったのだが、昨夜は誰も泊まりに来なかったので精神的にも落ち着いて過ごせた。だから今日の『恵美』はすっきりとした穏やかな顔をしてい ...

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 『麻理子』は、せっせと洗面所を磨いている時に、貴明が入ってきていきなり服を脱ぎだしたのでびっくりした。「ちょっと……どこで脱いでん……脱いでるの?」「何言ってるの、これから風呂入るのに服着て入るわけないだろ」「そりゃ確かにそうだけど」 言 ...

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「はい、そこまでー」「!」 貴明の目の前に、大嫌いな義父の佐藤圭吾の顔面写真が現れた。「ぎゃああああっ!」 醜態と言っても過言ではないほどの情けない姿で、貴明はベッドの上でひっくり返った。無理もない、愛しの妻の麻理子に口付けようとしたのに、 ...

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「きゃああああああっ! きゃあきゃあ! 止めなさいよおおおおおっ」「落ち着きなって恵美」「いやあああああああっ」「うるさい、本当に静かにしないと気絶してもらうよ」 悲鳴をあげる『麻理子』と、物騒な事を言う貴明。 ただ今、スカイライン暴走中。 ...

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『麻理子』は、自分の部屋でアルバムを開いていた。それは白のビロードで装丁されている雑誌サイズの薄いもので、普段は箪笥の服の下に隠してあった。 大判の写真ばかりがアルバムに閉じられていて、写っているのは白いウェディングドレスを着た恵美と、かつ ...

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 『恵美』は、目覚めて、部屋の中がガラリと変わっている事に気付いて飛び起きた。 和室の天井に、狭いけれど大切に使われている家具たち。落ち着いた空気が流れている。壁掛け時計は朝の五時を指していて、外はまだ暗かった。「……うそ。なんで今よりにも ...

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 一方、雅明は、ご飯を食べながらテレビを見て新聞を読んでいた。これを毎日やってはご飯に集中しろと恵美に怒られている。ナタリーはフリッツと外出してしまい、誰も叱言を言わないので安心だと思っていたのだが、それは大きな間違いだった。「お父さん!  ...

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「こんなに顔を色づかせて。夢の中で奏とどんな事をしたの……?」「何も……ああ……動かさないで……えっ……」 びくびく震えて、麻理子は動かせない手を動かそうとする。貴明はそんな麻理子のむき出しの腕にすうっと筆を滑らせた。「いやああああんっ…… ...

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 恵美は、昼前に目覚め、麻理子同様いきなり元に戻ってしまった自分に仰天した。狭いベッドがキングサイズになっていたら誰でも驚くだろうが、そのベッドの傍らに見知らぬ男が居たとなったら驚きも倍増だ。「ぎゃあっ。誰よあんたっ」「……誰よって………… ...

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「ずいぶん長い間寝てたね」 無表情で言う貴明に嫌な予感がした。ふと人の気配がして頭を横にすると三浦がにやにや笑って椅子に腰掛け、足を組んでいた。「佐藤社長、ベッドから降りてもらって結構ですよ」 貴明の腕が離れていき、恵美はベッドの上で身を起 ...

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「こ、こ、これは……」 三浦は行為後に静かに入ってきた本物の貴明に慌てふためいた。そしてたった今まで抱いていた偽者を振り返る。その偽者は妖しい色気に満ちた微笑を浮かべ、ゆっくりと鬘を取って、地毛の銀髪を露呈させた。「お前、本当に貴明が好きな ...

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 恵美は雅明の性急な動きについていけない。「まち……待ちなさい! ちょ……、ここ、ああっ!」 ドアが閉められた二階の一番奥の部屋。ここは雅明の父がナタリーのために用意した特別な部屋で、ドアを閉めると外の音がほとんど聞こえないように造られてい ...