終業時間五分前、壱夜は定時で帰る手はずを整えている。今日は平日で客もまばらだからそれは可能だろう。のんびりと自分の仕事を……
「お願い、お願い……手を……」 「手を?」 蒼人は名前を呼んでもらってうれしいのか至極ご機嫌そうに返事をする。壱夜はそれが気……
蒼人に続いてキッチンへ入ると、大きなテーブルに鍋がセッティングされていた。 「鱧(はも)ですか」 「よく知っているね? 関西に……
翌日、壱夜にとっては屈辱的な事に、素っ裸な上、男の腕の中で目覚めた。そしてさらに腹が立つ事に、男はとっくに目覚めていて自……
菅谷壱夜 アイリーンというあだ名を持つ。普通の会社員。 二宮蒼人 やくざ。壱哉に執着する。……
ううう……尻が痛え……。 壱夜は涙ぐみながら歩いていた。繊細な顔だちの青年がそんな顔で歩いていたら、あらぬ誤解をされそうな……
真夏の太陽が照りつけ、車内はサウナのように暑い。壱夜は冷房を全開にしながら、まず車内の熱気を追い出すためにパワーウィンド……
壱夜は小野寺と渡辺という二人の強面の男に連行されるように、空港近くのホテルに入った。ほんの数十分前、北海道の千歳空港行き……
「あああっ! あァっ! あ、あ」 胎内に入れられたローターが震え、壱夜は腰をくねらせて背後から抱きしめる蒼人から逃れようともが……
壱夜は赤いスープが煮えている鍋を見下ろしていた。珍しく明るい笑顔で無気味なほどだ。作っているのはミネストローネで、トマト……
「おま……っ……飯の……水っ……何を入れやがった……っ」 「おや? 岩井の錠剤とは思わないんですか?」 「あれは……どっ……み……
うーんと蒼人が首を傾げた。その前で壱夜が蒼人の責め苦に悶えている。最初は円筒で肉棒をいじめるだけだったが、引き出しの中か……
翌日、壱夜は昼過ぎまで寝ていたところを岩井に起こされた。案の定腰はだるくて手足も力が入りにくい。舌はしびれて痛いし、ろれ……
ガンガンとドアを壊すような音が響く中、照久は風呂に入れてキレイにした壱夜に服を着せてやった。結局壱夜は最後まで後ろでイき……
「蒼人早く来ないかな~。来ないと壱夜の初主演のビデオを販売しちゃうぞーっと♪」 びちゃびちゃと壱夜を嬲る舌の水音の中で、遠……
壱夜は、両手首に手錠を填められ宙吊りにされた。幾度も射精させられたせいで身体に力は入らないし、前も後ろも媚薬を塗られまく……
「薔薇が……うぜえ」 壱夜は一般病棟に移ってから、毎日のように蒼人から贈られてくる色とりどりの薔薇の花に囲まれて、そのむせ……
壱夜が蒼人の前に飛び出したのと、付き添っていた岩井がはっとして振り向いたのはほぼ同時だった。組の襲撃かと思ったらしい岩井……